IR(Investor Relations)は、株主と投資家に投資判断に必要な情報を提供し、会社の価値を適正にすることが仕事です。困難や不都合が生じたときにこそ、その真価が問われます。
超大型買収のIRをタケダイズムで乗り切る
経理、内部統制の仕組みづくり、広報を経験し、5年前からIRを担当しています。その間、タケダのグローバルでダイナミックな企業活動を肌で感じながら、仕事をしてきました。
たとえば、広報時代の2008年にアメリカのミレニアム・ファーマシューティカルズ社を、2011年にはスイスのナイコメッド社を買収し、タケダは世界から成長分野を取り込む戦略に大きく舵を切りました。2014年、グラクソ・スミスクライン社出身のクリストフ・ウェバーが社長に就任。そして2019年には、希少疾患分野における世界のトップ企業、アイルランドのシャイアー社を6兆円を超える金額で買収しました。このときの買収は、現金と新株発行による株式交換との合わせ技によるもので、日本ではあまり例を見ない手法でもありました。