四代目長兵衞(この頃、戸籍法制定により近江屋から武田に改姓)は、同業者に先んじて洋薬に着目、親近の同業者らと共同で横浜に洋薬の仕入れ組合をつくり、外国商館との取引を始めた。当時輸入した洋薬には、抗マラリア薬のキニーネ、抗コレラ薬として使われた石炭酸などがあった。当初18種あった洋薬の輸入品目は、その後10年間で146品目に増えている。
1895年頃からイギリス、アメリカ、ドイツ、スペインなどの商社からの直輸入を開始、1907年からはドイツ・バイエル社製品の一手販売権を得た。このようにして、古風な和漢商であった当店は次第に洋薬の扱いを増やし、洋薬中心の事業に切り替えていった。