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希少疾患

タケダは、免疫学、血液学、代謝異常の希少疾患や、ライソゾーム病において革新的な治療の確立を目指しています。これらの希少遺伝性疾患や代謝性疾患の症状は千差万別で、人によってその進行度は大きく異なります。そのため、これらに罹患した患者さんが、誤った診断を受けることがしばしばあります。

希少出血性疾患

希少出血性疾患領域において、タケダは数十年にわたる臨床現場での経験をもとに確立された安全性と、有効性プロファイルによって裏付けられた血友病ポートフォリオを備えるリーダーです。私たちは70年以上にわたって患者さんのために革新的な医薬品を提供し、血友病のあらゆる症状の治療に対する選択肢を備えた幅広いポートフォリオを有しています。希少出血性疾患領域における豊富な経験を有するということは、今後も治療の発展を追求していく上で、時代のニーズに対応する準備が整っていることを意味します。また血液学コミュニティとも連携することで、早期診断や、早期かつ完全な予防、また患者さん一人ひとりに適応した治療の提供など、未来への期待値を高めています。

疾患領域
血友病
血友病は遺伝性の出血性疾患で、主に男性が発症し、患者数は世界でおよそ40万人を超えているといわれています。血友病の患者さんは、凝固因子と呼ばれる特定のタンパク質が不足している、または低濃度であるため、血液が正しく凝固しません。

フォン・ヴィレブランド病
遺伝性出血性疾患のなかでよくみられるフォン・ヴィレブランド病(VWD)は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)の欠損または機能不全が原因で発症します。フォン・ヴィレブランド因子が欠損・機能不全に陥ると、血液が凝固しないまたは血液が凝固するまでに時間がかかるため、出血が長引いてしまいます。世界人口の約1%が発症し、米国だけで320万人もの患者さんがいますが、罹患している10人のうち9人は正しく診断されていません。


ホワイトペーパー

希少疾患患者の個別化医療実現に向けた新しいソリューション

タケダはPwCとの提携のもと、研究開発の最優先事項の一つである、デジタル化に向けた継続的な取り組みを紹介するホワイトペーパー「ミッション:患者さん中心の医療―テクノロジーによる希少疾患患者の個別化医療実現に向けた取り組み」を発行しました。
ホワイトペーパー(英語版)のダウンロードはこちら

希少免疫疾患

希少免疫疾患領域では、血漿製剤や革新的な標的治療、医療機器、診断、その他の技術サービスといったポートフォリオを通じて、患者さんの治療改善に向けた継続的なイノベーションと個別化医療の推進を重点的に取り組んでいます。私たちが注力する疾患領域には、遺伝性血管浮腫、免疫不全、希少自己免疫疾患、移植後の合併症、希少専門医療などがあります。

疾患領域
遺伝性血管性浮腫(HAE)
遺伝性血管性浮腫は遺伝性の希少疾患で、腹部、顔面、足、生殖器、手および咽頭などの様々な身体部位において、浮腫(腫脹)の再発性発作を引き起こします。腫れは一過性で痛みを伴うことがあります※3,4,5。気道を閉塞する発作は窒息を引き起こす可能性があり、生命を脅かす恐れがあります※4,5。患者数は世界で1万〜5万人に1人と推定されています。また治療の課題として、診断が難しいため見過ごされやすく適切な治療が行われていないことが挙げられます※3,6

免疫不全症

原発性免疫不全症(PID)
原発性免疫不全症(PID)には350種類以上の希少疾患があり、免疫系の一部が欠損しているまたは適切に機能していないことで生じます※2,3。原発性免疫不全症患者は病気にかかりやすく、回復に時間がかかり、副鼻腔炎や気管支炎、肺炎、胃腸感染※5などの感染症を繰り返す※4ことがあります。医師は、根底にある原因がわからないまま感染症を治療することがあり、その場合、患者は重要な臓器障害、身体障害、さらには死亡リスクが増加した状態に晒された状態が続きます※6,7

続発性免疫不全症(SID)
続発性免疫不全症は、慢性リンパ性白血病や多発性骨髄腫などに罹患したことが原因となって生じます。再発性の感染症につながり、末端器官の損傷や死亡に至ることがあります。

希少自己免疫疾患
免疫系の調節異常が宿主組織の攻撃につながる神経筋疾患で、しばしば複雑な疾患発症機序を伴います。多巣性運動ニューロパチー(MMN)は、他覚的な感覚消失を伴わない、進行性の四肢脱力を引き起こす慢性神経障害です。ギラン・バレー症候群(GBS)は、進行性の四肢脱力や、呼吸筋、顔面筋および嚥下筋のしびれ感が特徴の生命を脅かす神経障害です。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)は、進行性の四肢脱力および四肢の感覚機能障害を特徴とする末梢神経障害です。

低アルブミン血症および血液量減少症
低アルブミン血症は、血液中のアルブミン値が異常に低い場合に生じます。熱傷や成人の呼吸窮迫症候群など、急性および慢性疾患を有する患者さんによく見られる症状です。血液量減少症は血漿量の減少に起因し、血液量減少性ショックに至ることがあります。血液量減少性ショックは、臓器が十分な血液や酸素を得られなくなる生命を脅かす状態です。症状には脱力、疲労、失神、浮動性めまいなどがあります。

重症先天性プロテインC欠損症(SCPCD)
重症先天性プロテインC欠損症は、主に新生児に発症する稀な常染色体劣性遺伝疾患です。主な症状の一つとして、急性かつ多くの場合致死的な血栓性疾患である電撃性紫斑病があります。皮膚の小血管内の凝固による皮膚の血斑、内出血および変色として現れ、急速に皮膚壊死および播種性血管内凝固症候群に至ります。最初に症状が発現する月齢は、生後数時間から2週間です。

プロトロンビン欠乏症
プロトロンビン欠乏症は、ビタミンKの不足に関連する出血性疾患で、血液凝固プロセスを遅らせます。このような状態の患者さんは、けがや手術後の出血が止まりにくくなることがよくあります。

α1-アンチトリプシン欠損症(AATまたはα1欠損症)
α1-アンチトリプシン欠損症(AATまたはα1欠損症)は、血液および肺中のα1-アンチトリプシン(AAT)タンパク質濃度を低下させる遺伝性疾患です。このタンパク質は主に肝臓で産生され、白血球から放出される化学物質から肺組織を保護する手助けをします※1。α1-アンチトリプシンタンパク質濃度が低いと肺気腫などの肺疾患を発症するリスクが高くなります。

希少代謝疾患

タケダにはライソゾーム病(LSD)治療薬の開発において優れた技術を受け継いでおり、市販製品、後期開発段階の治験薬、およびパイプライン候補を含むポートフォリオを有しています。希少遺伝性疾患や代謝性疾患の症状は千差万別で、人によってその進行度は大きく異なることがあるため、医療・研究機関と連携してグローバルな教育と意識向上を図っています。私たちは、症状の発現から診断までの時間を短縮し、革新的な治療法の開発を加速させることに尽力しています。

疾患領域
ハンター症候群
ハンター症候群(ムコ多糖症II型、MPS II)は、主に男性が発症する深刻な遺伝性疾患です。グリコサミノグリカン(GAG)としても知られる特定のムコ多糖体を分解しリサイクルする身体の能力を阻害します。ハンター症候群は、複数あるライソゾーム病の関連疾患の一つです。

ファブリー病
ファブリー病は、特定の脂質(グロボトリアオシルセラミド、Gb3)を分解する能力を妨げるライソゾーム病(LSD)の一種です。全世界で、男女ともに推定8,000〜1万人が罹患しています。

ゴーシェ病
ゴーシェ病は希少遺伝性代謝疾患で、ライソゾーム病(LSD)の一種です。一般的には約10万人に1人(日本では約33万人に1人)、アシュケナージ系ユダヤ人コミュニティでは855人に1人が罹患しています※2。ゴーシェ病I型患者の症状や重症度は様々で、診断が困難になることがあります。

副甲状腺機能低下症
副甲状腺機能低下症は、手術、自己免疫疾患または遺伝性疾患のいずれかにより、副甲状腺が損傷した場合に生じる希少内分泌疾患です。損傷した副甲状腺は、血液中のカルシウムやビタミンD濃度をコントロールするために重要な副甲状腺ホルモン(PTH)を十分に産生することができません。副甲状腺ホルモンが十分でない場合、腎臓など体内の特定の臓器の重要な機能が阻害される可能性があります。

References:
※1 Global Genes Rare Disease Impact Report, https://globalgenes.org/rare-diseases-facts-statistics/ Accessed January 23, 2018
※2 GuggenbuhlP, GrosboisB, ChalèsG. Gaucher disease. Joint Bone Spine. 2008;75(2):116-124.
※3 Cicardi M, Bork K, Caballero T, et al, on behalf of HAWK (Hereditary Angioedema International Working Group). Evidence-based recommendations for the therapeutic management of angioedema owing to hereditary C1 inhibitor deficiency: consensus report of an International Working Group. Allergy. 2012; 67(2):147-157.
※4 Zuraw BL. Hereditary angioedema. N Engl J Med. 2008;359(10):1027-1036.
※5 Banerji A. The burden of illness in patients with hereditary angioedema. Ann Allergy Asthma Immunol. 2013;111(5):329-336.
※6 Longhurst HJ, Bork K. Hereditary angioedema: causes, manifestations, and treatment. Br J Hosp Med. 2006;67(12):654-657.