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真摯なる想いを患者さんのもとへ届けるために

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ジェニファー・トニング

マサチューセッツ州レキシントンにて、希少代謝性疾患における酵素補充治療用製品のプロダクトオペレーションを担う。2009年、シャイアー社に入社し、レキシントン・ローラー・ボトル薬品製造施設に勤務。その後SAPプロジェクト、さらにはバイオリアクター監督官、バッファーおよびサポート・サービス・マネージャー職を経て、クロス・プラント・サービスのアソシエイトディレクターに就任。2019年のシャイアー社とタケダとの合併に伴い、マサチューセッツ州ケンブリッジのエイルワイフ工場でトランスフォーム・チーム改革リーダーを務めたのち、2019年11月から現職。



医薬品が製造の現場から患者さんに届くまで

私は、希少代謝性疾患治療の酵素補充療法で使われる治療薬のプロダクトオペレーションを担当しています。世界中の患者さんに治療薬を確実にお届けするために、製造供給に関する戦略を提案しています。バイオ製剤の開発ユニットや品質管理部門、薬事部門さらに各地域の運営委員会など、幾つもの部門と連携し、世界各国へ円滑に新薬を届けるための仕組みづくりに携わっています。

これまで経験した、さまざまな仕事を通じて自身の専門性を高めるチャンスに恵まれました。最初に携わった製造部門ではチームワークの大切さを肌で感じることができましたし、いま所属しているコマーシャル部門では、世界各地で発生する多種多様な課題解決に深く関わる仕事を任されています。実はこの部門に来るまで、タケダの医薬品が世界の隅々にまで届けられる一連の仕組みを、グローバルな視点で考えたことがありませんでした。でも、仕事を通じて徐々にその全貌が理解できるようになって、今ではこの仕事の醍醐味を強く感じられるようになりました。

日々、挑戦があり、発見があります。毎日が本当に充実しています。困難と思われた幾多のハードルを次々に乗り越え、仕事をマスターできた経験が、私を人間的に成長させてくれました。会社とともに自分自身も成長することができた私は、本当にラッキーだったと感じています。

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娘の試練を経て気づいた患者さんの気持ち

私の娘、エミリーが5歳になったとき、全身若年性特発性関節炎(スティル病)という大変まれな全身性の炎症疾患であるという診断を受けました。その病名が告げられたとき、娘はすでに歩くことも、鉛筆を握ることもできなくなっていました。すべての関節が腫れあがり、高熱を出して日々ふせっていなければなりませんでした。ほかの希少疾患患者さんの家族と同様に、私たちがこの病気の適切な治療法を見つけるまでには、何年もの月日がかかりました。幸いなことに、この2年ほどの間はエミリーの症状は落ち着いていて、今は元気に大学2年目の学生生活を送っています。

つきっきりでエミリーを看病し続けて8年が経った頃でした。私は、同じように困難と向き合っている人々の助けになりたいと考え、希少疾患の治療薬を手掛ける製薬会社で働こうと決意しました。なにより患者さんのことを第一に優先する、そんな会社で仕事がしたいと……。ですから今日、私がここにいて、タケダで働いていることは必然なのだと感じています。

気付けば、それから11年が経ち、会社の成長とともに幾つもの大きな変化がありました。タケダの「誠実」を重んじる価値観、素晴らしい伝統と文化にも、私は深く共感しています。 これまでずっと、私の心を燃やし続けているのは、患者さんと接する度にいつも感じる慈悲と慈愛の心です。娘の試練が気づかせてくれた患者さんの気持ちが、私と私たちのチームを励まし、明日の挑戦へと向かう勇気を与えてくれるのです。

患者さんやその家族とともに過ごす恩返し

タケダで私が最も感銘を受けたのは世界中の患者さんに貢献するのだという信念です。アメリカの「Takeda Cares」などの地域貢献プログラムやCSR施策、従業員ネットワークなど、多くの社員がその信念をさまざまな方法で実践しています。私も個人的に、患者さんたちを支援する多くのボランティア活動をしていますが、同じ価値観を共有できる仲間たちとこの会社で働けることを、何よりも誇りに感じています。


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とりわけ私が大切にしている活動は「シリアス・ファン(Serious Fun)キャンプ」で、特にコネチカット州で開催する「ザ・ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプ(The Hole in the Wall Camp)」です。シリアス・ファン・キャンプは、がんや希少疾患で苦しんでいる子どもたちが、日頃感じてしまいがちな恐怖や痛み、病気による孤独感などからひとときのあいだ離れ、家族と一緒に楽しむことができる機会をつくろうとして始められたものです。私はこのキャンプに、ボランティアのキャビンカウンセラーとして、また、同じ患者家族の仲間として、さらにはアーチェリーのインストラクターとしても参加し、患者である子どもたちや、その家族一人ひとりと接しています。まる一週間、たっぷりキャンプを楽しみながら、病と向き合う若い患者さんたちが精神的に成長していく姿を間近で感じられるのは、本当に素晴らしい経験です。

働き方の新しいスタンダードを

私たちは今、新型コロナウィルスのパンデミックをはじめ、たくさんの試練にさらされています。タケダでは早い段階で、在宅勤務への移行をしましたが、私たちのチームでは、医薬品を必要とする患者さんへの供給が滞らないように、サプライチェーンを維持することに専念しました。チームの連携を密にして、世界中の包装工場や流通ネットワーク、輸送システムに影響を与えそうな国際情勢の変化がないか、常に注意を払っています。さらに、この未曾有の状況にあっても、患者団体、アドボカシーグループ、医師や患者さんとの交流を続けることは非常に重要です。何が必要とされているのか、皆さんのニーズに耳を傾けると同時に、医薬品を確実に届けるための私たちの活動をあらためて知ってもらうことも、とても大切な仕事なのです。

置かれた場所で花咲かせよう!

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これまで仕事を続けてきた中で、私は本当に多くのことを学び、多くの貴重な機会に巡り合えました。でも、「5年後に、あなたは何をしている?」と聞かれたら、おそらく私はこう答えるでしょう。「わかりません。けれど、どこにいても、私は自分がいる場所で、ハッピーでいたいと思います」、と……。置かれた場所で花咲かせよう! 与えられた機会を実りあるものにしよう! それが私のモットーです。ニコニコしたり、ときに声を上げて笑ったり、いつもハッピーでありたいのです。周囲の人々に幸福と喜びをもたらせるような人間でいたい、それが私の望みなのです。