マラウイは、サハラ以南のアフリカ諸国で、ミレニアム開発目標4*を達成した数少ない国の1つだ。それでもまだ、下痢、マラリア、肺炎などの予防可能な疾患によって子どもたちの命が失われている。また、国民の大半が住む農村部における医療ニーズの増加に対し、必要な医療サービスが十分に確保できていない状況が未だ続いている。最大の課題は、熟練した医療従事者の不足だ。この状況を改善するために、医師、看護師、助産師等の医療従事者の能力開発が急務となっている。
タケダは、グローバルCSRプログラムとしてシード・グローバルヘルスとパートナーシップを結び、マラウイを含むサハラ以南のアフリカ諸国3ヵ国における、熟練した医療従事者の不足の解消と、持続可能な医療システムを構築する活動を支援している。シードに所属する医師、看護師、助産師が指導スタッフとして現地の教職員や医療スタッフと共に働き、家庭医学から産婦人科、メンタルヘルスにまで及ぶ専門分野のトレーニングを強化している。
マラウイの全ての医療従事者が質の高い医療を提供し、継続的に教育を受け地域のリーダーとしての役割を果たすことができれば、マラウイの医療システムにさらなる発展をもたらし、誰もが健康で過ごせる未来が実現できるだろう。
*ミレニアム開発目標とは、世界189の国連加盟国が2000年9月に採択した、21世紀に向けより安全で豊かな世界づくりへの協力を約束する「国連ミレニアム宣言」と、1990年代に開催された主要な国際会議やサミットでの開発目標をまとめたもの。国際社会の支援を必要とする課題に対して2015年までに達成するという期限付きの8つの目標、21のターゲット、60の指標を掲げた。ミレニアム開発目標4は「乳幼児死亡率の削減」で、2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1にまで引き下げることを目指した。