金融包摂と保健医療アクセスは、現在、世界が直面している最も重要な課題のうちのひとつである。バングラディッシュのGDP第一位の既製服製造業界でも、これらは深刻な問題となっている。
この産業は、多くの女性に安定雇用と社会保障、社会参加の機会を与え、経済力の向上に寄与している。
業界が急速に成長する一方で、それを支えるインフラの整備は大幅に遅れている。2013年10月と11月にガジプールで発生した工場火災や、2013年4月のラナ・プラザビルの崩落事故(1,100名が死亡)は、悲劇的な大事故として世界的に知られている。
既製服製造業界で働く女性たちは、他の女性たちと比べると優位な立場にあるが、彼女たちの87%が栄養失調、貧血、非衛生、不適切な産前産後のケア、その他の感染症や疾病に悩んでいる。
職場の安全・衛生基準の遵守や管理も十分とはいえない状況にある。バングラデシュの法律では、既製服製造工場の敷地内に診療所を設け、常勤の看護師を1名以上配置することが義務付けられている。しかし、従業員が増えても診療所が拡大されることはなく、十分な活用・管理が行われてはいないのが実情だ。つまり、急成長するGDPを支える業界の女性たちは、必要とする医療サービスを十分に利用できていないのだ。
タケダはHERヘルス(HERプロジェクトのプログラム)について学び、既製服製造工場における健康管理システムの改善必要性を実感し、、パートナーシップを締結した。
タケダは、HERヘルスとパートナーシップを締結し、2015年にバングラデシュで15の工場内の診療所と今後の拡大計画を調査した。その結果に基づいて工場の改善計画を作成し、働く女性たちのためにが診療所の改善に取り組んでいく。この取り組みにより、3万人以上の労働者の保健医療サービスと医薬品利用の促進を見込んでいる。
女性の活躍促進のためには、経済包摂が重要であり、保健医療の利用機会を得ることは、不可欠だ。HERプロジェクトやその他の機関が世界中で素晴らしい活動を日々、展開している。