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米国FDAによる先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対するTAK-755の優先審査指定について

2023年5月17日

- cTTP患者さんを対象とした初の臨床第3相無作為化対照試験から得られた良好な結果に基づき申請
- TAK-755はFDAよりcTTPを対象に、ファスト・トラック指定および希少疾病用医薬品指定に加え、優先審査指定および希少小児疾患指定を取得

当社は、2023年5月16日(米国時間)、ADAMTS13欠乏性疾患の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する酵素補充療法としてのTAK-755について、米国食品医薬品局(FDA)により生物学的製剤承認申請(BLA)が受理されましたのでお知らせします。TAK-755の申請は優先審査指定を受けています。

TAK-755は、FDAよりcTTPに対する希少小児疾患(RPD)指定も受けています。同薬は既に、cTTPを対象としたファスト・トラック指定および希少疾病用医薬品指定も受けています。

TAK-755が承認されれば、患者さんの大きなアンメットニーズがある疾患であるcTTPに対する初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)補充療法薬となります。

cTTPは、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)のうち遺伝性に生じる極めてまれな疾患で、ADAMTS13プロテアーゼの欠乏により、慢性かつ消耗性の血液凝固障害を来します1,2。未治療のまま経過した場合、急性TTPの死亡率は90%を超えます3

当社の希少遺伝子疾患および血液疾患領域ヘッドであるダニエル・カラン(Daniel Curran, M.D.)は、「生命を脅かす極めてまれな疾患であるcTTPには承認された予防的治療法がなく、患者さんの治療選択肢には重大なニーズがあります。TAK-755は、臨床開発が行われている最初で唯一の、ADAMTS13を標的として補充する治療法であり、疾患の根本的原因に対応するものです。希望が持てるデータが継続して示されており、この治療法を患者さんにお届けすることを目標として、米国FDAや各国の規制当局との緊密な連携を続けています」と述べています。

このたびのBLAは、cTTPを対象とした初の無作為化対照試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データから示される包括的エビデンスおよび継続試験から得られた長期の安全性と有効性のデータによって支持されています。臨床第3相試験は、無作為化クロスオーバー法において、複数の臨床的に関連のある評価項目を用いて、血漿療法と比較したTAK-755の臨床効果を評価するよう設計されました。当社が2023年1月に発表した中間成績から、TAK-755が血漿療法と比較して、cTTPの重要な疾患活動性マーカーである血小板減少症事象の発現率を60%(95%信頼区間:30%~70%)低減させることが示されました。また、治療と関連性がある有害事象が発現した被験者の割合は、血漿療法を受けている被験者(47.7%)と比較して、TAK-755が投与された被験者(8.9%)で低い結果でした。臨床第3相試験の中間解析は、今後の学会で発表する予定です。

TAK-755については、後天性(免疫性)TTP(iTTP)に対する安全性、有効性および薬物動態を評価する臨床第2b相試験も実施中です4

米国FDAによるBLAの受理が、当社の2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想に及ぼす影響はありません。

<TAK-755について>

TAK-755は、現在開発中の、初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13タンパク質です。活性低下または欠乏したADAMTS13酵素を補充することによって、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)患者さんのアンメットメディカルニーズに対処する標的療法を提供します5

TAK-755 cTTP臨床開発プログラムには、1つのfirst-in-human臨床第1相試験である281101試験(NCT02216084)6と、主要な臨床第3相試験の281102試験(NCT03393975)と臨床第3b相継続試験のTAK-755-3002試験(NCT04683003)の2つの臨床第3相試験が含まれます7,8。また、TAK-755については後天性(免疫性)TTP(iTTP)と鎌状赤血球症を対象にそれぞれ臨床第2相試験(NCT03922308)と臨床第1相試験(NCT03997760)を実施中です4,9

TAK-755は米国食品医薬品局(FDA)より先天性、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療(ODA-08-2622)と予防(ODA-08-2652)に対して、欧州医薬品庁(EMA)よりTTPの治療(EU/3/08/588)に対して、また日本の厚生労働省より血栓性血小板減少性紫斑病に対して希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けました。遺伝性(先天性)ADAMTS13欠乏症の患者さんにおけるTTPの急性症状の治療、予防および定期予防に対してFDAよりTAK-755のファスト・トラック指定(FTD)も受けています。

<cTTPについて>

cTTPは生命を脅かす急性症状と消耗性の慢性症状を伴う超希少、慢性、消耗性の血液凝固障害です1,10。cTTPは、有病率が100万人あたり2~6症例と推定されているTTPのサブタイプであり11、TTP患者さんの5%以下に相当します12,13。フォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断プロテアーゼであるADAMTS13の欠乏により発現し、その結果、血液中に超巨大VWFマルチマーが蓄積します1。 超巨大VWFマルチマーが蓄積すると、コントロール不能な血小板の凝集および粘着が生じます10,14。これは体内の微小血管に異常な血栓を生じさせる可能性があり、溶血性貧血と血小板低値(血小板減少症)と関連します14

cTTPは急性症状と慢性症状の両方を有し(脳卒中と心血管疾患を含む)、大きな疾病負荷と関連します。ADAMTS13の欠乏状態に起因して進行する広範な臓器障害やその他の併存疾患のため、一般集団と比較した患者さんのQOLは大幅に低下し生存期間は短縮します10,11,12,15。rADAMTS13はcTTPに対する新規治療アプローチとして治験中です16

cTTPの定期的な予防的治療として規制当局から承認されている薬剤はありません。現在の治療法は、血漿療法(血漿輸注または血漿交換)が中心です17。血漿療法は時間がかかるうえ、重度の治療合併症を引き起こす可能性があります11,17,18。この治療合併症には、容量過負荷やアレルギー反応という治療を制限せざるを得ない事象も含まれます17,18

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

 

<重要な注意事項>

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<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上



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