- 今後10年で1桁台半ばの年平均成長率、2030年度までに売上収益5兆円(470億米ドル)1を目指す
- ベスト・イン・クラス/ファースト・イン・クラスの治療薬として2024年度までの承認取得を目指す12の新規候補物質をはじめとするウェーブ1パイプラインのポートフォリオ
- 好酸球性食道炎を対象としたTAK-721の米国食品医薬品局(FDA)からの承認取得および流行地域ならびに欧州でのデング熱ワクチンの承認申請など、ウェーブ1パイプライン全体にわたり重要な開発後期マイルストンを近い将来達成する見込み
- 勢いある成長を中期的に牽引するグローバルブランドの新たなピーク売上収益の予想を示す
当社は、このたび、ウェーブ1パイプラインの市場機会に関するカンファレンスコールにおいて、今後10年の当社の売上収益成長に大きく貢献する可能性のあるパイプラインポートフォリオの最新情報を公表しましたのでお知らせします。当社は、2019年度から2030年度の売上収益の年平均成長率として1桁台前半(技術的成功確率調整後2)を見込んでおりますが、1桁台半ばの年平均成長率で2030年度までに5兆円(470億米ドル)3の売上収益達成を掲げています。
売上収益成長の大部分は、ベスト・イン・クラス/ファースト・イン・クラスの治療薬となりうる独自の12の新規候補物質を含むウェーブ1パイプラインおよび現有の14のグローバルブランドによってもたらされるものと考えています。ウェーブ1パイプラインのうち5件は米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を、3件はFDAよりファストトラック指定を受けています。さらに、1件は日本の厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定されており、他の1件は、中国国家食品薬品監督管理局より初めての多国籍バイオ医薬品企業に対するブレークスルー指定を受けています。
当社代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバーは、「当社のビジョンは、患者さん、従業員、そして地球に対する取り組みを通じ、生活を一変させる治療薬を創出し、お届けすることです。当社は、アンメットメディカルニーズの高い疾患の患者さんに対する治療薬や予防薬を創出し、世界中の患者さんにお届けすることに注力するための高い基準を設定しており、当社のウェーブ1パイプラインは、まさにこの基準を体現したものです」と述べています。
当社は、カンファレンスコールにおいて、好酸球性食道炎に対する初のFDA承認治療薬となる可能性があるTAK-721およびデング熱予防の4価弱毒生ワクチンであるTAK-003について重点的に紹介しました。さらに、Entyvio®などのグローバルブランドの持続的な勢いある成長および上市成功を確実にする手助けとなる実績を紹介しました。
革新性の高いパイプライン患者さんにお届けし、持続的成長を実現
当社は、世界レベルで最先端の研究開発体制を構築し、臨床段階にある多様でダイナミックな約40の新規候補物質を創出し、まもなくお届けを開始する予定です。12のすべてのウェーブ1パイプラインについて、重要なデータ読み出しや重要な臨床試験開始などの開発後期のマイルストン達成が近い将来見込まれています。当社は、人生を一変させるこれらの治療薬を世界中の患者さんにお届けするためのコマーシャルエクセレンス強化に向け、データからの有益な知見の理解やデータ分析などのグローバルでの能力、患者サービス、エビデンス構築を拡大してきました。
ウェーブ1パイプラインのほか、社内の研究能力と現在進行中の200以上の外部とのパートナーシップからなる当社の研究体制を通じ、当社は、2025年度以降の持続的成長につながるウェーブ2パイプラインにおいて次世代治療薬の創出を着実に進めています。ウェーブ2パイプラインは、当社の重点疾患領域全体にわたるアンメットニーズの高い患者さんに対する、劇的な改善や治癒の可能性のある治療薬で構成されています。これらの新規候補物質は、ヒトでの有効性が明確に確認された多様なモダリティ(創薬手法)ならびに細胞治療や遺伝子治療、データサイエンスにおける新規基盤技術を駆使して開発しています。
TAK-721およびTAK-003について
<TAK-721(ブデソニド経口懸濁液)>
当社のTAK-721は、好酸球性食道炎の治療薬として開発されたブデソニドの粘膜付着性局所粘性製剤です。TAK-721は、承認された場合、好酸球性食道炎に対する初のFDA承認治療薬となる見込みです。本薬の製品名はEohilia(一般名:ブデソニド経口懸濁液)を予定しています。現在までに、TAK-721はFDAからブレークスルーセラピー指定およびオーファンドラッグ指定の両方を受けています。TAK-721の好酸球性食道炎を対象とした開発プログラムは、米国で最初かつ最大の臨床第3相試験であり、若年・成人(11~55歳)の好酸球性食道炎患者さんを対象に本薬の安全性および有効性を検証したORBIT1およびORBIT2試験を含んでいます。ブレークスルーセラピー指定およびオーファンドラッグ指定を受けても、承認および上市を保証するものではありません。
<TAK-003>
当社の4価デング熱ワクチン(TAK-003)は、血清反応陰性者(デングウイルス感染歴がない方々)の保護や入院の予防など、デング熱をコントロールするうえで主要な優先課題はもとより、グローバルで大規模な脅威への対処に寄与する可能性があります。TAK-003は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています。TAK-003開発プログラムは臨床第3相試験であるTIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)を含みます。二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験であるTIDES試験は、小児・若年被験者を対象とし、4種すべての血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています。TIDES試験は継続進行中であり、引き続き合計4.5年間にわたり安全性および有効性を検討します。デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、世界保健機関(WHO)は、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げています。
TAK-721やTAK-003の最新のデータや情報などが掲載されたプレゼンテーション資料を含め、ウェーブ1パイプラインの市場機会に関するカンファレンスコールの当日の様子は、https://www.takeda.com/jp/investors/ir-events/で視聴いただけます。
当社は、第2回目として、2021年4月6日にウェーブ1パイプラインに関する最新情報を提供する予定です(日程は変更になることがあります)。当日は、TAK-925/994の詳細およびオンコロジー関連の最新情報を発表します。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患・血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
<将来に関する見通し情報>
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功又は失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念等、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客及び供給業者に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/)又はwww.sec.gov において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果又はその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。
<医療情報>
本ニュースリリースには、製品についての情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではありませんし、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品の効能を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。
以上
1 PTS(技術的成功確率)調整前ベースの増分を含みます(すなわち、当社が現時点では発生する可能性が低いと考えている技術的成功を含むベストケースのシナリオを示したものであり、予測や目標値と解釈されるべきではありません)。
2 PTS調整後の数値は当社のベースケース、すなわち当社が発生する可能性が高いと考える技術的マイルストンの達成に基づく売上収益予想を示します。
3 U.S. Centers for Medicare & Medicaid Services(CMS)が2020年11月20日に発表したMost Favored Nation Model暫定最終規則により受けうる潜在的な影響は現在精査中であり考慮されていません。