当社は、このたび、慶應義塾大学医学部(所在地:東京都新宿区)および新潟大学(所在地:新潟県新潟市)と当社湘南研究所(所在地:神奈川県藤沢市)において疾患関連RNA 結合タンパク質の探索と機能解析に関する共同研究を実施する契約を締結しましたのでお知らせします。
「湘南インキュベーションラボ」は、当社湘南研究所に外部の研究機関から優秀な研究者を招き、同研究所内の施設の一部を利用して当社研究者とともに研究活動を行うプロジェクトであり、当社医薬研究本部が継続して実施している取り組みです。疾患関連RNA 結合タンパク質に関する本共同研究期間は3年間であり、慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授が全体の研究を指揮し、新潟大学からは矢野真人准教授が参加して進めます。
RNA結合タンパク質と疾患の病態との関係について近年、徐々に明らかにされつつあり、多くの疾患の発症や進行にRNA結合タンパク質の異常が関係していることが考えられます。本共同研究では、系統的かつ網羅的にRNA結合タンパク質に特化した研究を行い、新規創薬ターゲット候補や画期的な創薬技術を継続的に創出することを目指します。本共同研究では、中枢神経系疾患やがんなどが対象になる可能性があります。
慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授は、「我々の研究してきたRNA結合性タンパク質研究と武田薬品の技術を結びつけることで、革新的な創薬研究の成果を出していきたいと思います」と述べています。
当社の医薬研究本部長 丸山哲行は、「今般、RNA結合タンパク質の研究における世界有数の研究者である岡野教授を迎えることができ、大変嬉しく思います。今回の共同研究を通じて、当社は両大学と協力して患者さんが待ち望む画期的な新薬の創出を目指してまいります」と述べています。
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<慶應義塾大学医学部・岡野栄之教授について>
慶應義塾大学医学部長、医学部生理学教室教授。専門は分子神経生物学、発生生物学、再生医学。日本神経科学学会副会長、International Society for Stem Cell Research (ISSCR) Board of Director、日本再生医療学会理事、日本神経化学会理事、日本生理学会常任幹事等を歴任。
<新潟大学・矢野真人准教授について>
新潟大学大学院医歯学総合研究科 神経生物・解剖学分野(解剖学第二)准教授。専門は、RNA分子神経生物学、神経科学一般。