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ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成に向け、総力を結集:国連総会ハイレベル会合サイドイベントを開催


世界の人々の健康および経済の発展の双方にとって、正しい知識と多様な経験を有する医療専門家は重要な存在であり、同時に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成にとっても不可欠である。しかし世界保健機関(WHO)によれば、2030年までに世界で1,800万人の医療従事者が不足するとされている。

世界中の患者さんのいのちと健康に長期的な支援で貢献するタケダは、医療専門家を増やすことが喫緊の課題であることを踏まえ、「シード・グローバルヘルス」、および大手情報プラットフォームである「デベックス」との共催で、2019年9月24日に、国連総会(UNGA)のサイドイベントを開催した。このイベントは、グローバルヘルスおよびアフリカのリーダーを招聘し、現在の取り組みを評価するとともに、さらなる進歩を促すため、ロードマップを総括することをテーマとしたものだ。
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本イベント「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けて総力を結集」は、国連UHCハイレベル会合で世界のリーダーによってUHCに関する国連政治宣言が承認された翌日に開催された。

投資、政策、アクション:選択と優先順位
本イベントにおいて、タケダのコーポレート・コミュニケーションズ & パブリック アフェアーズ オフィサーの平手晴彦は、「UHCは各国で独自の形態になると思いますが、そのコアは、健康の維持と病気の予防にあります。 そのためには優秀、かつ経験豊かな医療専門家が不可欠です」と述べた。

デベックスの社長兼編集長のラジ・クマール氏は「我々は医療専門家の必要性を理解していますが、現状は、医療専門家育成が必須であることを、エビデンスとともに、説明できていません」と指摘した。

一方、シード・グローバルヘルスのCEOであるヴァネッサ・ケリー氏は「良質な医療の欠如が人々の健康に害を及ぼします」とし、現在も何百万人もの人々が質の高い医療を受けらない現状を説明した。「UHCに関する政治宣言は非常に重要であり、まさに、人を中心に置いて考えられています。しかし、それだけでは行動につながらず、また、資金確保ができません。 必要なことは、選択することです。それは、私たちがやらなければなりません。」

ルワンダ保健大臣のダイアン・ガシュンバ氏は、政府は率先して選択しなければならないと主張し、「1994年の大量虐殺の後、私たちは優先順位を付ける必要がありました。そして、プライマリーヘルスケアを重視し、コミュニティヘルスワーカーのトレーニングを選択したのです」と述べた。ガシュンバ氏によれば、この選択により、ルワンダはミレニアム開発目標を達成、そして持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて軌道に乗せることに成功したのである。

「優れたガバナンスと政治的リーダーシップはかけがえのないものです」と、WHOのUHC親善大使を務める参議院議員の武見敬三氏は同意した。 武見氏は、すべての国が多様な属性と条件を持つことを認識することが不可欠であり、グローバルなUHCフレームワークは柔軟であるべきだと付け加えた。

「しかし、単に多額の資金を投資すればいいということではありません。賢明な投資をしなければなりません」と、米国のグローバルエイズコーディネーター兼グローバルヘルス外交の特別代表デボラ・バークス氏と、WHOのUHCエグゼクティブ・ディレクターのピーター・サラマ氏は述べた。

グローバルヘルスと社会変革のためのアフリカセンター(ACHEST)所長であり、2019年の野口英世アフリカ賞受賞者であるフランシス・オマスワ氏は、次のような強いメッセージを打ち出すべきだと訴えた。「人々はUHCを権利と見なす必要があり、一方、政府はそれを必要不可欠な政治的要請と見なす必要があります。」

タケダの従業員の使命と受け継いできた日本のリーダーシップ
「タケダには大きな責任があると考えています。それは、革新的な医薬品を創出することを超えて、SDGsの目標達成に向けた歩みに貢献することであり、これは当社ならではの貢献ができるまたとない機会だと考えています」と平手は強調した。10年以上にわたり、タケダのグローバルヘルスとCSRにおけるイニシアチブは、疾病予防、保健人材の育成(特に医療従事者のトレーニング)、および医療アクセスの向上に対する長期的な取り組みを通じて、世界中の患者さんの健康に貢献してきた。
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また、タケダの従業員は、グローバルCSRプログラム候補の中から支援先を選択してきた。これにはシード・グローバルヘルスをはじめ、NGOや国際機関との連携が含まれている。彼らは、サハラ以南のアフリカやその他の地域における医療従事者不足に献身的に対処している。

タケダは、日本に本社を置き、SDGsの実現に向けて国際社会と連携するグローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、2019年夏に開催されたG20サミットおよびTICAD会議の議長国を務め、UHCをグローバルアジェンダの最上位に置いた日本政府の役割を高く評価した。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)について:
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指す。一次、二次、三次のケアレベルにわたる幅広いサービスを網羅し、対象国、対象サービス、対象となる費用の種類に応じて、各国で独自の形式を取る。持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.8においても、UHCに明確に焦点を当てている。 また、UHCの達成は、経済成長、貧困と不平等の削減、平和と安定に焦点を合わせたSDGsの目標達成にも貢献する。多くの国では資金、インフラ、公的な資格を有する医療専門家が不足しているため、必要なすべての医療サービスを手頃な価格で人々に提供できていない。UHCを成功させるには、十分な訓練を受けた能力の高い医療専門家が必要だが、現在、世界では医療専門家の重大な不足に直面しており、これは依然としてUHCの大きなボトルネックの1つとなっている。どれほど革新的な医療を創出しても、地域に根ざした質の高い医療専門家なしでは、実際のサービスの提供と医療アクセスは保証されないだろう。




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