2020年8月、第34回American Professional Sleep Societies(SLEEP 2020)の年次総会がバーチャル学会として開催される。この分野の最先端の学会の1つであるSLEEPがフォーラムを開催し、未来に目を向けた睡眠医学の科学、研究および臨床診療について話し合う。今年、タケダはこのフォーラムに参加し、進化を続けている当社のオレキシン開発プログラムから、非臨床試験の2つのポスター発表を行う予定である。
約20年前に発見されたオレキシン(ヒポクレチンともいう)は、多くの場合、睡眠・覚醒サイクルの主要な調節因子と考えられている神経伝達物質である。
1,2オレキシンは特にナルコレプシー タイプ1(NT1)に関与している。NT1は、生涯にわたる神経疾患であり、オレキシンを生産する脳内のニューロンの脱落によって引き起こされる。
2NT1は睡眠・覚醒サイクルの脳の調節能力の低下およびカタプレキシー(脱力発作)を特徴とする。カタプレキシーは、通常強い情動によって引き起こされる突然の筋緊張の消失である。
3タケダでは、ナルコレプシーや特発性過眠症など、日中の過度の眠気(EDS)を特徴とする睡眠・覚醒障害におけるオレキシンとその役割について、幅広く研究を行っている。
SLEEP 2020では、タケダが開発した経口投与可能なオレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬TAK-994、および静脈内投与OX2R作動薬であるTAK-925に関する2つの非臨床試験についてeポスターで発表を行う。
これらの試験結果は、NT1やその他の過眠障害におけるOX2R作動薬を評価した早期のデータに基づいており、現在実施中の臨床試験でさらに調査を進めるうえで裏付けとなるものである。
SLEEPのわずか数週間前、タケダは、ナルコレプシーに対するTAK-994の臨床第2相SPARKLE-1501試験 (
NCT04096560)で被験者の組み入れを開始し、オレキシン・フランチャイズにおける重要なマイルストンを達成した。
タケダは、睡眠・覚醒の主要な調節因子としてのオレキシンの役割をさらに深く理解するために、情熱をもって努力をし続ける。
1 Lin L, Faraco J, Li R et al. The Sleep Disorder Canine Narcolepsy Is Caused by a Mutation in the Hypocretin (Orexin) Receptor 2 Gene. Cell. 1999;98(3):365-3762 Mahoney CE, Cogswell A, Koralnik IJ, Scammell TE. The neurobiological basis of narcolepsy. Nat Rev Neurosci. 2019;20(2):83-933 Nishino S. Clinical and neurobiological aspects of narcolepsy. Sleep Medicine. 2007;8(4):373-399