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パートナーシップの現場へ:幼い命を予防接種で救う

東南アジアにおいて乳幼児の死亡率が最も高い国の一つ、ラオス人民民主共和国。この国では、長年にわたり「はしか」予防におけるワクチン接種率が国の定める目標値を下回っている。原因は安定したワクチン供給を実現するための資金不足だ。この状況は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの途上国に共通しており、これを改善するために、タケダは国連財団とのパートナーシップを通じた10年という長期にわたる支援を行っている。

Photos by United Nations Foundation.

農村での習慣がワクチン接種の妨げに

ラオスでは、人口の過半数が農村地帯で暮らしており、その規模は「約9,000村に200以上の言語を持つ49の民族が住んでいる」という多様なものである。ゆえに、「はしか」などの感染症を予防するための公衆衛生キャンペーンにおいて、連絡手段の確保が重要な役割を果たす。
なぜなら、両親が乳幼児を連れて農作業に出てしまうため、村を日常的に訪問する医療関係者でさえ、予防接種が必要な子どもたちを見つけられないことがよくあるからだ。これでは、折角運んできたワクチンを接種できず、また暑さなどで使用できなくなる可能性もある。そのため、国連のコーディネーターや現地の医療関係者たちは、住人たちへ予防接種の重要性について説明し、ワクチン接種時期を知らせるため、定期的な連絡が重要であることを強調している。これは今回、私たち、タケダの従業員が現地を訪問することで知ることができた、ラオス農村地域特有の課題である。

なぜ、従業員が現地を訪れるのか?

母子の感染症予防接種は、罹患率と死亡率を減らすための、費用対効果の高い方法の一つである。「はしか」は現在でも毎年90,000人の子供の死因に関係するといわれている。タケダは、国連財団とのパートナーシップを通じて、様々なステークホルダーと協力しながら世界中の子供への「はしか」予防のワクチン接種の実現を目指している。

 

タケダは、途上国の人々の健康に、疾病予防の観点から貢献するため、グローバルCSRプログラムを2016年より実施している。多くは5-10年の複数年に及び、従業員投票で選ばれる。そのうちの一つに、国連財団と協働して世界約40の途上国で540万人の子どもたちに「はしか」予防のワクチンを接種するプログラムがある。そこで今回、企業市民活動における従業員参加プログラムの一環として、国連財団のこのプログラムを対象に10人の従業員による現地視察を実施した。

2018年2月26日から1週間の行程で、10名の参加メンバーは、ラオス国内の様々な地域で保健医療施設やワクチン貯蔵施設を訪問。同国政府関係者、医療関係者や村人など地元コミュニティーのメンバーから、同行する国連財団のコーディネーターと共に視察を行った。

私たちがめざすCSRについて

※罹患率(りかんりつ)とは、一定期間内において新たに特定の疾病と診断された患者数を、その期間の人口で割った値のこと。

献身と情熱が未来を変える原動力に

参加メンバーは、ワクチン接種の実現には地道な活動こそ重要であると知り、最前線で活動する現地パートナーの献身と情熱に深い感銘を受けた。そして、この活動によって救われる命があること、現地の人々が生活環境をより良いものに変えていけることに誇りを感じた。
タケダのCSRヘッドである圭室俊雄は「今回、国連財団とのパートナーシップが、多くの子どもたちをはしかから救うという、目に見える成果をあげていることを確認し、グローバルヘルスにおける重要課題の解決に向けて国際社会との連携をさらに強化し、今後も疾病予防を継続すべき、と改めて実感した。今後は、現地視察を経験した10人の参加者が、この経験を多くの人々に共有することを期待している」とコメントした。


国連財団 Shot@Lifeプログラム・エグゼクティブ・ディレクター

マーサ・リーバーからのメッセージ

タケダとのパートナーシップにより、私たちはShot@Lifeのキャンペーンを通じて、ワクチンをいま最も必要としている子どもたちへ届けることができるようになりました。いまだに「はしか」によって命を脅かされている子どもたちにとって、10年間という長期にわたるタケダからの支援で得られる恩恵は計り知れません。今後の「はしか」予防で、きっと大きな成果を生み出すことができると信じています。

 

国連財団のShot@Lifeプログラムについては、こちら(英語サイト)



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