起きていられることは、健康的で生産的な生活を送るうえで極めて重要である。ナルコレプシーなどの睡眠・覚醒障害のある患者さんは、毎日、毎晩、自分の生活が疾患により著しい影響を受けていると感じている。
ナルコレプシーは、生涯にわたる神経疾患であり、睡眠・覚醒サイクルの脳の調節能力低下を特徴とし、世界中で300万人以上の人々が罹患している。1,2 ナルコレプシーはタイプ1とタイプ2の2種類に分類され、日中の過度の眠気(EDS)、睡眠障害、睡眠発作、睡眠時麻痺、場合によっては入眠時幻覚または覚醒時幻覚など、多くの症状が両タイプで共通して認められる。3ナルコレプシー タイプ1では、カタプレキシー(情動脱力発作)も発現する。カタプレキシーは、通常強い情動によって引き起こされる突然の筋緊張の消失である。3,4
ナルコレプシー タイプ1は、脳内の神経伝達物質であるオレキシン(ヒポクレチンともいう)を生産するニューロンの脱落との関連性が高い。ペプチドであるオレキシンと覚醒および睡眠の制御の関連性は約20年前に発見され、多くの場合、睡眠・覚醒サイクルの主要な調節因子と考えられてきた。現在、タケダでは、ナルコレプシー、特発性過眠症及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群の残存EDSなど、EDSを特徴とする睡眠・覚醒障害におけるオレキシンとその役割について、幅広く研究を行っている。
タケダは複数年に渡り睡眠・覚醒障害の研究を行っており、これらの疾患に携わる他の研究者と同様に、睡眠・覚醒障害に苦しむ患者さんのアンメットニーズを認識している。だからこそ、タケダは、睡眠・覚醒障害に苦しみながら日々を送っている患者さんのニーズをより深く理解するために全力で取り組んでおり、その疾患啓発やナルコレプシーについて理解を深めてもらえる場を大切にしている。
先日、タケダは患者支援団体の1つであるWake Up Narcolepsy*の依頼で、ポッドキャストの週次番組、Narcolepsy 360に出演した。Wake Up Narcolepsyのエグゼクティブディレクターであり、Narcolepsy 360の進行役でもあるクレア・クリスプ氏が、ニューロサイエンスのグローバルプログラム・リードであるデボラ・ハートマンをゲストに迎え、2人はナルコレプシーの疾患背景、オレキシン発見の歴史及び睡眠・覚醒障害におけるその役割、さらに医薬品開発プロセスにおける臨床試験の重要性について意見を交わした。この番組の聴講と詳細情報は、こちらをクリック。
*当社はWake Up Narcolepsyの企業スポンサーである。