母親たちは、ここで自身をケアする知識や、生後数週間の栄養管理といった、新生児を適切に世話する技術を学ぶ。このように出産前後の段階からの支援で母子共に健全な生活を保証することで、医療従事者にも良い影響をもたらし、相乗効果を得られる。保健センターは、村保健委員会のメンバーの一人である補助助産師教育の場としても活用され、新しい知識をコミュニティに提供する。
「このプログラムは、地域レベルで着実な変化をもたらす実にユニークな取り組みです」と、ジル・ライベングッド(グローバル ワクチンビジネス ユニット)は述べ、さらに「これらの医療施設は、本プロジェクトの支援が終了した後も、継続してこの村で利用できるでしょう」と期待を寄せた。
「私たちは事業で医薬品やワクチンを開発しますが、このグローバルCSRプログラムを通じて、様々な地域コミュニティの暮らしに有益な変化をもたらしています」
発展途上国や新興国におけるインパクトの大きな活動を支援するタケダのグローバルCSRプログラムは、長期的な支援や永続的かつ持続可能な変化をもたらすこと、継続的かつ効果的なパートナーシップなど、私たちの企業価値に基づいた取り組みである。また同時に、従業員参加プログラムによって、従業員たちの価値観をも浮き彫りにする。なぜなら全従業員は毎年、全社的な投票システムによりどのようなCSRプログラムを支援するか選択する機会を得るからだ。そして、この現地訪問というユニークな仕組みにより、私たちが地域コミュニティにどのようなインパクトを与えているか、に気づくのだ。
祖一澄人(ジャパン ファーマ ビジネス ユニット)は、村保健委員会による「病院への緊急搬送システム」のサポートを受けた母親に参加者と共に会った際、特に衝撃を受けた。「セーブ・ザ・チルドレンが支援する補助助産師、母親、そして献身的なスタッフの意欲が、地域コミュニティの健康改善に大きく貢献していることに刺激を受け、私たちの取り組みがきちんと地域住民に届いている現状を目の当たりにしました」
「今回の視察に参加した従業員は3人だけですが、できるだけ多くの同僚にもこの現実を見てもらいたいです」
「これまで新生児のケアに関する知識はまったくありませんでした」と、ある母親が従業員に語った。「タケダとセーブ・ザ・チルドレンの支援により、私は必要な知識を得ることができました。この知識は、隣人たちにも共有していきます」
このようなタケダのユニークな取り組みについて、イー・モン・ゾー医師(セーブ・ザ・チルドレン ミャンマー事務所 保健プログラムヘッド)は、「私たちの取り組みは、コミュニティの住人一人ひとりが家計をひっ迫することなく、自身の健康管理に責任をもてるよう支援するものです。これを実現することは、非常に重要であり、このプロジェクトの目的と考えます」と力強く述べた。