タケダが米国研究製薬工業協会(PhRMA)に加盟して、12年以上が経ちます。日本発のグローバル製薬企業であるタケダは、世界の医薬品市場の中で最大の市場である米国で業界団体に所属しさまざまなディスカッションに参加していくのは大変重要なことと位置づけています。は世界の主要な研究開発型バイオ医薬品産業を代表し、新しい治療法やその研究を支援し、患者さんが最新のサイエンスにアクセスできるよう、米国および世界各国で政策を提言しています。
タケダのU.S.ビジネスユニット プレジデント&グローバル ポートフォリオ コマーシャライゼーション プレジデントを務めるラモナ・セケイラは、今年2月にPhRMA理事会の会長に就任し、同組織の歴史上、女性として初めて会長に任命された人物になりました。
今年10月、セケイラはPhRMAの会長として来日し、東京で開かれた年次の日米交流活動である「PhRMA Japan Days」を指揮し、PhRMA会員企業を代表して、政府、患者支援団体やその他の医薬品産業のステークホルダーと会談しました。
そしてこれらの活動を通じて、日本が公衆衛生におけるグローバル・リーダーであり続けるために、日本の創薬イノベーションのエコシステムを強化することにも日本とともに取り組んでいく考えを示しました。
また、グローバルでのバイオ医薬品産業による研究開発投資額(日本への投資総額1,000億ドル:14兆円を含め、過去10年間に全世界で約1.7兆ドル)などを紹介しました。
このような資金調達により、かつてないほど有望なグローバル・パイプラインが生み出されています。バイオ医薬品産業では、今後5年間に全世界で患者さんのための医療の進歩を加速させるため、約1.2兆円の投資が行われると予想しています。
そして、真に革新的な治療法やワクチンを最終的に患者さんに届けるためには、創薬科学の発展のペースとインセンティブをあわせながら、イノベーションを促進し、イノベーションに対する適切な評価を得られるようなエコシステムの強化が重要であると述べました。そのためには官民を問わず、研究開発への投資を奨励することから始まることも付け加えました。
セケイラはまた、神奈川県にある「湘南ヘルスイノベーションパーク(通称:湘南アイパーク)」について、タケダが米国の製薬業界の特徴であるボストン地域にあるイノベーションクラスター(シリコンバレーのように、地域に根ざした中小企業・スタートアップが連携を強化して革新的な開発を推し進めること)に着目して同施設を設立したことに触れ、「湘南アイパークは、研究者や業界の専門家、ベンチャーキャピタル、地方自治体、アカデミアを一堂に集め、コラボレーションやイノベーションを加速しています。湘南アイパークは、自治体が描く経済および活性化戦略のバックボーンと協調していることから多様な支援を受けています」と説明しました。
日本は、基礎研究から臨床開発、販売までの医薬品開発の全プロセスを支援する技術力、厳格な規制制度、製造力を有する数少ない国の一つです。しかし、PhRMAは、日本における研究開発型バイオ医薬品産業の潜在能力は、未だ十分に発揮されていないと考えています。また、セケイラは、PhRMAを代表して日本政府に対し、世界的に調和のとれた規制に向けた動きを加速させるよう提言しました。日本は強力で厳格な規制制度を有していますが、PhRMAは現行の迅速承認制度における申請受理要件に柔軟性を持たせ、主要な部分でより整合性を高めていくことで、日本の患者さんの生活に好影響を与えうる革新的な医薬品へのアクセスを加速できるようになると考えています。また、いくつかの政策変更により、日本のバイオ医薬品市場がマイナス成長になったことについて指摘しました。特に、最近の薬価制度改革はビジネスの予測を難しくさせるとともにイノベーションに対する評価を減少させています。これらを踏まえ、革新的な医薬品の特許期間中の薬価維持を認めることなどを提案し、それによりイノベーションの促進と売上の適切な創出が可能となると指摘しました。
一連の対話を通じて、セケイラは、すべてのステークホルダーが共通のゴールに向かってパートナーとして協働することで、最良の政策が生まれると繰り返し伝えました。これには、官民間のしっかりと踏み込んだ対話も含まれています。これらを念頭にPhRMAとタケダは政策改革について日本政府と協力していくことを約束し、医療制度全体の持続可能性を維持しながらイノベーションのエコシステムを改善していくために官民が協力する方法に焦点を当てた新しいフォーラムを通じて、その実現を目指しますと述べました。