COVID-19がもたらした前例のない公衆衛生の課題に立ち向かうには、大胆な行動が必要であり、またタケダにおいて、ウイルスに対する治療法の可能性を迅速に追及するためには、共同研究が極めて重要でした。
タケダは、CSL Behringと共同でCoVIg-19 Plasma Alliance(以下「CoVIg-19アライアンス」)を結成し、BioPharma Plasma、Biotest、GC Pharma、LFB、National Bioproducts Institute、OctapharmaおよびSanquinといった血漿分画製剤の企業が参画しました。この協同により私たちは一産業として、また一社会として、より一層強くなることができました。
この1年間、COVID-19による重篤な合併症のリスクを有する成人のCOVID-19入院患者さんへの治療オプションの候補となる抗コロナウイルス高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)(本アライアンスでは「CoVIg-19」)と呼ばれる血漿由来の医薬品の開発・製造に共同で取り組んできました。この革新的な治療法は、米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が出資し実施した臨床第3相試験で評価されました。
2021年3月に完了した米国国立衛生研究所(NIH)の 臨床試験の結果は私たちが期待していたものとは異なりましたが、この1年以内で多くのことを達成し、患者さんと公衆衛生のために貢献できたことを誇りに思います。
科学の進歩には、うまくいかないことを学ぶことと、うまくいくことを学ぶことが同じくらい重要です。この研究が、この難しいウイルスに対する理解や患者さんの治療への理解を深めることに貢献できたことを誇りに思います。
これまでサポートしてくださった製薬企業外の組織を含め、昼夜を問わず取り組んでいただいた皆さんには、非常に感謝しています。また、我々の研究を可能にするために血漿を進んで提供してくださったCOVID-19から回復された方々、快く試験に参加してくださった患者さん、そして我々の取り組みに柔軟な姿勢で支援し協力してくださった規制当局や政府機関にも心からの感謝を申し上げます。
血漿分画製剤は、血漿由来の医薬品を必要とする何千人もの希少疾患、慢性疾患、複雑な疾患の患者さんにとって生命線となっています。パンデミックの影響で血漿成分献血が例年より少なくなっていることから、ヒト由来の血漿の必要性がこれまで以上に高まっています。タケダは、健康な方々に血漿提供を呼びかけています。
COVID-19パンデミックとの闘いに対処するため、COVID-19による重篤な合併症のリスクを有する人を対象とした血漿分画製剤の開発を目的に、CoVIg-19 Plasma Alliance は2020年4月に結成されました。CoVIg-19アライアンスでは、血漿分画製剤で世界をリードする製薬会社が集まり、COVID-19による重篤な合併症のリスクを有する患者さんの治療を目的としたノーブランドの抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の開発に取り組みました。高度免疫グロブリン製剤(CoVIg-19)は、COVID-19から回復した方から提供された血漿から精製され、一定量かつ高濃度の抗体を含有する高品質の医薬品です。
CSL Behringと武田薬品が共同で結成したCoVIg-19アライアンスには、BioPharma Plasma、Biotest、GC Pharma、LFB、National Bioproducts Institute、OctapharmaおよびSanquinも参加しました。 また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がアドバイザーとして支援しており、MicrosoftがCoVIg-19アライアンスのウェブサイトやドナー募集のための「Plasma Bot」などの技術を提供しました。PallやUber Healthなどの組織も現物支援などでCoVIg-19アライアンスに協力しました。
CoVIg-19アライアンスにおけるCOVID-19治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤を評価するためにNIHが実施した臨床試験の結果発表について(2021年4月2日)