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サプライチェーン

タケダは全世界約41,000 社のサプライヤーと協働し、医薬品の製造、流通に必要な資材そしてサービスを提供しています。サプライヤーとの関係とバリューチェーンを通じ、医薬品・サービスの流れを管理することは、持続可能性を実現し、患者さんの健康を守るために高品質で安全性の高い医薬品を安定供給するために極めて重要です。

プロキュアメント・センター・オブ・エクセレンス(PCoE)

倫理的調達とサプライヤーリスク管理の取り組みは、タケダイズム、および患者さんに寄り添い、人々との信頼関係を築き、社会的評価を向上させ、事業を発展させるという私たちの価値観に基づいています。また、以下の3つの優先領域を有するプロキュアメント・センター・オブ・エクセレンス(PCoE)がこれを主導しています。

  1. 倫理的調達とサプライヤーリスク管理
  2. サプライヤーの多様性
  3. サプライヤーのパフォーマンスと革新性(SP&I)

これらに加えて、PCoEはデータ分析とプログラム管理という 2つのチームを設け、両チームは継続的な改善を主導し、調達に関する能力と知識の向上を図ります。

倫理的調達とサプライヤーリスク管理

倫理的調達とサプライヤーリスク管理プログラムは、サプライヤーおよび第三者の評価のために確立されたプログラムです。このプログラムの教育を全従業員にています。また、シャイアー社買収後、約半数のサプライチェーンを同じ基準と要求レベルに準拠させる必要がありました。また、従業員の約半数が、タケダの強みを活かして誕生したこのプロセスと、新たに統合された包括的なプログラムについて学んでいる最中です。

タケダ・サプライヤー行動規範(SCoC)および業界連携

タケダ・サプライヤー行動規範(SCoC)は、環境、人権、労働慣行、安全衛生、データプライバシー、贈収賄禁止、商慣行、動物保護、管理システムなどを対象としています。SCoC は26の言語に翻訳され、調達プロジェクトに組み込まれています。SCoCは、世界で40社を超える会員企業が定めた製薬業界のサプライヤー基準である製薬業界サプライチェーンイニシアチブ(PSCI)に則っています。

PSCIは、サプライヤー監査や、サプライヤーの能力向上を目的とする会議やオンライン研修会を通じ、サプライチェーンが責任を果たせるよう、支援しています。これに加えて、製薬業界環境グループ(PEG)に参加し、温室効果ガス(GHG)削減に向けた取り組みとその基準を確立するエンゲージメントグループと気候グループにも加わりました。

サプライヤーデューデリジェンスおよびパートナーシップ

持続可能性と事業継続リスクを含むサプライヤーのリスク評価のため、調達プロセスに6つのステップを追加しました。これらは患者さんに高品質な医薬品をお届けするための重要な取り組みです。標準的なデューデリジェンスのプロセスは、動物保護、EHS(環境、健康、安全)、労働、人権、財務健全性、贈収賄・汚職、データプライバシー、情報セキュリティの各分野において潜在的なリスクが存在するか否かを評価します。これらはタケダが検討する全リスク項目を示すものではなく、事業の利害関係者がサプライヤー選定を行う際に、サプライヤー候補からの提供を期待する情報の種類を示しています。
標準的なデューデリジェンスの期間中に何らかのリスクが特定された場合、社内外の専門家による強化デューデリジェンスを実施します。また、タケダビジネスサービスと連携して、サプライヤー登録と認定をより効率的かつ効果的に進め、デューデリジェンスの完了や潜在的なリスクの検出をより確実に行えるよう進めています。これは、統合型デューデリジェンスとして知られています。

また、サプライヤーのサステナビリティ評価を行いスコアカードに記録するデジタルシステムであるEcoVadisの活用をさらに進め、戦略上重要なサプライヤー、リスクのあるサプライヤーなどのサプライヤーの持続可能性についてのモニタリングを行っています。EcoVadisを用いることで、サプライヤーの重要業績評価指標(KPIs)のモニタリングが行え、サプライヤーへの働きかけやパフォーマンス向上のための基盤とすることができます。タケダは、サプライヤー自身が、自らがサプライチェーンに及ぼす影響を管理する能力を高めることで、サプライヤーのパフォーマンスがさらに向上するものと期待しています。

「タケダ・サプライヤー行動規範(SCoC)」に照らして持続可能性に関してリスクのあるサプライヤーを特定した場合、あるいはEcoVadisから低いスコアの通知を受けた場合、当該サプライヤーに対し第三者監査会社を用いて年1回行う労働・倫理・EHS(環境・健康・安全)および管理システムの現地評価プログラムの対象とし、PSCIのプロトコルに基づく監査を行います。評価結果に基づき、サプライヤーの持続可能性パフォーマンスの向上を目標とする改善計画を作成し、タケダとサプライヤー双方が定期的な見直しを行っています。

スコープ3 CO2排出量削減の取り組み

2019年度、スコープ3の二酸化炭素排出量50%削減を含め、2040年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を定めました(詳細は52ページをご覧ください)。これを果たすには、サプライヤーとの包括的かつ長期的な協働が不可欠です。スコープ3の二酸化炭素排出量は、原料調達から生産加工、さらに医薬品の流通・販売までのバリューチェーン全体で総排出量の約90%を占めています。サプライチェーンの二酸化炭素排出量を削減するためには、サプライヤーとの協働体制が重要となります。新たな目標に向けて活動するにあたり、進捗状況を測定し、サプライヤーと共に温室効果ガス(GHG)削減活動を推進するため、毎年、スコープ3報告プロジェクトを実施する予定です。

倫理的調達とサプライヤーリスク管理

倫理的調達とサプライヤーリスク管理により、タケダのサプライヤーが適切に事業活動を行い、その事業を不必要なリスクにさらすことなく価値が提供できるよう、サプライヤー管理を行うことができます。

1

Value
& Expectations

Takeda Supplier
Code of Conduct
  • Adherence to applicable laws
  • Regulations & Supplier Code

  • Business practices

  • Animal welfare

  • Data privacy

  • Human rights
  • Labor & employment practices

  • Health & safety
  • Environment

2

Supplier Risk & Qualification

Supplier Risks
  • Financial

  • Operational

  • Continuity

  • Strategic

  • Data privacy

  • Social, ethical & environmental

3

Post Contract Monitoring

 

 

 

 

Measuring Supplier Sustainability Performance & Risk

4

Continuous
Improvement
& Development

 

 

 

 

Capacity Building

人権

私たちのサプライチェーンの多くは、労働者の保護が十分でない新興市場にある場合があります。事業規模と潜在的な影響力を考慮すると、労働者の権利を含む人権の尊重は、私たちの果たすべき責務の一つです。タケダ・サプライヤー行動規範(SCoC)は、児童労働・強制労働を含む現代奴隷の慣行に関する私たちの誓約とサプライヤーへの要求を示しています。また、下記の様々な方針や見解に関する声明を通じ、タケダの「サプライチェーンの人権と労働」に関する取り組みを強化しました。

さらに、特定の支出基準値を超えるサプライヤーは、人権と労働に関する評価を含む標準的デューデリジェンスおよび強化デューデリジェンスを経て採用しています。製薬業界サプライチェーンイニシアチブ(PSCI)内でワーキンググループを主導し、現代奴隷に関する認識をより高め、業界のベストプラクティスを共有するためのオンラインセミナーを開催しました。社会的責務の監査に関する研修に参加するメンバーと共に、経営陣の育成にも注力しています。私たちは模範的な企業市民としての役割を認識し、絶えず社会に貢献することを目指し、患者さんに対するより良い治療法の研究開発を進めています。この取り組みの一環として、当社が事業を行う地域において、その事業やサプライチェーンを通じ、国際的に認められている人権を擁護し、支援・支持する姿勢を明確にしています。チームは現在、新たに顕在化した人権問題・課題の把握と対応、および社会的弱者の保護を含む人権に対するアプローチ強化に取り組んでいます。

サプライヤーの多様性

世界中から資材を調達するグローバル企業として、サプライヤーのネットワークにおいても多様性と包括性を強化しています。例えば、タケダの購買ポリシーでは、見積をとる際に見積書の提出を求めるサプライヤーの少なくとも1社は、小規模企業あるいは多様性のある企業とするよう、また、主要サプライヤーに、再委託先を開示するよう定めています。