2011年から支援活動をスタートしました。長期的な支援の必要性を強く認識していたものの、はじめから支援アプローチが確立していたわけではありませんでした。時間の経過とともに変化する被災地の状況に対応した10年間。被災された方々に寄り添い、その声を聞きながら、企業としての災害支援のあり方を求め続けています。
復興支援総額43億円のうち、32億円を「日本を元気に・復興支援」プロジェクトに充て、時間の経過とともに変化する現地のニーズに柔軟に対応した13プログラムを実施することで、約100万人を支援しました。さらに、被災地の経済支援と震災の風化防止を目的とした「企業内マルシェ」を毎年開催し、延べ14,000人*の従業員が特産品を購入するなど、多様な形での支援活動を続けてきました。
*2012~2021年の「労使共催企業内マルシェ(全国版)」の累計
長期的支援を実現するには、人と人とのつながりが欠かせません。定期的に被災地を訪問し、現地の支援者と信頼関係を構築することで、街や道路など目に見える復興に隠れた暮らしの小さなニーズに、共にしっかりと目を向けてきました。その中で見えてきた課題があります。
「災害によって人々の心とからだの健康は大きく損なわれる」―これは10年間の支援活動を通じて学んだことです。ふつうの暮らしを失った人々の心に空いた穴を少しずつ埋めていくには、人々に寄り添い続ける地域のサポートが必要です。また、いつ、どこで発生するか分からない自然災害を避けることはできませんが、被災された方々が経験を語り継ぐなど、人々が防災・減災の意識を高め災害に備えることが重要と考えます。その想いを胸に、これからも地域に寄り添った復興支援活動を継続します。
震災直後に緊急支援を迅速に決断
震災から3日後に日本赤十字社への義援金(3億円)の拠出を決定しました。また医療用医薬品と一般用医薬品(約3億円相当分)を提供するなど、健康を支えるための活動にいち早く着手しました。
NPO団体の人材育成を支援
認定特定非営利活動法人 日本NPOセンターと協働し、被災地で活動するNPOが課題としていた活動資金の助成、復興に関わるさまざまな社会課題を解決するための連携、リーダーの育成やスタッフの能力開発など組織基盤強化をサポートしました。