出来 隼人
グローバル コーポレート アフェアーズ(取材当時)
本社機能の広報・渉外からサステナビリティ、CSRや危機管理まで、幅広い分野を受け持つグローバル コーポレート アフェアーズ部門。そのまとめ役であるチーフ オブスタッフ オフィスで課長代理として活躍する出来は、大学・大学院で薬学と免疫学を学んだのち、新卒でタケダに入社し医薬情報担当者(MR)としてキャリアをスタートさせた。
タケダには何らかの形で、日本そして世界の医療に貢献したいという強い思いを持つ人が多い。出来もその一人だ。「MR時代には日本の医療の最前線を目の当たりにしてきました。そこでは、タケダが社会からどのように見られているか、そして私たちが患者さんにどのように貢献ができているかについて、身をもって感じ、学ぶことができました。充実した日々でしたが、当時メンターの方から、タケダでは自身の強みを生かしてグローバルに医療貢献できる環境があることをアドバイスしてもらい、社内公募に手を挙げて、現在のグローバル コーポレート アフェアーズ部門に異動し、国際渉外の担当を経験したのち、現在のチームに入りました」。
MR時代と現在との職務内容や環境の違いを問うと、「職場環境という意味では、私にとってすべてが新鮮な経験でした。タケダをグローバルの製薬業界のなかの一企業として客観的に見る必要がありますし、以前はほとんど使うことがなかった英語が日常言語としていきなり身近な存在になりました。周りの仲間も、国籍や職歴、年齢など多種多様で、その分野を極めた専門家も多い。ダイバーシティという点では、勢いが一気に加速したと思います。今の部門は国内だけでなく、アメリカや欧州、アジアで働くタケダの従業員との連携や協業も多く、プロジェクトを進めるのは大変ですが、日々学びが多いです」と答えてくれた。
多様性に富んだ組織で人を巻き込んで仕事を進めていくには、それなりの努力と地道な積み重ねが必要だ。そのような課題をどのように克服しているのか。「多様性が生む成果を理解し、会社にとってのプラス効果を実感することで、大変ななかにもやりがいを感じます。例えば、昨年度はタケダの企業理念の刷新プロジェクトにプロジェクトリーダーとして携わり、多くの部門の皆さんと協業しました。私たちタケダの軸となる企業理念を刷新するにあたり、一人でも多くの従業員が自分ごととして捉え、それを体現できるようにプロジェクトを設計。結果として経営陣をはじめ、多くの部門やメンバーから理解と賛同を受けたことで、素晴らしい企業理念を多くの仲間と共に創り上げることができました。これこそダイバーシティ溢れるメンバーが結束したときに成し得るものであり、その力を集結できたことを誇りに思います」と出来は語る。
「グローバル規模での会社の意思決定に接することができるのが、今の仕事の魅力」と話す出来だが、専門知識や経験も重視される部門において、自身のスキルアップも欠かせないという。「日々は一生懸命だけれど、半年前や1年前を振り返ると、その時に比べて今はできていることが多い。そんな些細な点でも、成長を実感することがあります」と語る。特に留学経験があるわけではないなかで、英語や異文化コミュニケーションのスキルをどのように習得しているかを尋ねると、その地道な努力を教えてくれた。「上司や同僚など、海外経験豊富で異文化コミュニケーションが堪能な人も多い。海外の同僚を含め、Eメールやオンライン会議で、これは良い表現!と思った言い回しはメモを取るようにしています。今ではEメールのホルダーに、参考にしたいと思った表現が200件ほど蓄積されています。おかげで数年前と比べると言い回しの幅や相手を説得する術も徐々に身についてきたと思います。また国や地域により文化や考え方がまったく違う、まさにダイバーシティのダイナミクスに揉まれながら相手を理解しようと努めてきたことで、どんな人とも円滑にコミュニケーションが取れるようになってきたことを実感しています」。
努力家でさらなる成長を目指す側面と、育児にも力を入れる家庭人としての顔も併せ持つ出来は、今後のキャリア設計をどのように考えているのか。プランを問うと、「企業がどんなに素晴らしい戦略を持っていても、それを最終的に実行に移すのは人であることから、私は入社当時から人財の大切さに高い関心を持っています。多くのタケダの仲間が日々いきいき、のびのびとやりがいを感じながら前向きに楽しく仕事にあたることができる、そんな環境整備に今後何かしらの形で貢献したいという想いを持っています。これからもタケダが企業理念に沿って社会に貢献し続ける企業であるために、そして、さらにその先に進むために、自分ができること、やりたいことを考え、積極的に行動に移していくつもりです」と話す。